胸やけの代表的な原因は、胃酸の逆流です。
胃酸の逆流によって胸やけなどの症状を呈するものが「胃食道逆流症(GERD)」です。日本では、GERDの患者さんが年々増えています。中でも、食道や胃の粘膜に炎症がみられるものを「逆流性食道炎」、胃酸の逆流はあっても見た目に炎症がないものを「非びらん性胃食道逆流症(NERD)」と呼びます。日本人は、粘膜に炎症のないNERDが多いです。
また、胃食道逆流症の方の中には「食道裂孔ヘルニア」を合併している方が少なくありません。食道と胃は、本来は横隔膜の上下で分かれているのですが、胃が横隔膜の上に出てきてしまった状態を「食道裂孔ヘルニア」と呼びます。食道裂孔ヘルニアがあると、胃酸の逆流を起こしやすいです。
生まれつき食道裂孔ヘルニアをおこしやすい方もいますし、加齢や肥満、慢性的な咳、長時間前かがみの姿勢をとることなどが原因になる場合もあります。