いぼ痔

いぼ痔とは、肛門の周辺にできるしこりのことで、正式には「内痔核・外痔核」と呼びます。
「痔」で病院へ行くのはハードルが高いと思われるかもしれませんが、いぼ痔は、有病率が21%~55%といわれるほどポピュラーな病気です。早く対応するほど早く改善しますので、お心当たりの方は当クリニックへご相談ください。

いぼ痔の種類と治療とは

いぼ痔は、肛門の内側の粘膜部分にできたものを「内痔核」、肛門の外側の皮膚部分にできたものを「外痔核」と呼びます。粘膜と皮膚の境目は「歯状線」といい、歯状線のどちら側にあるかで名称が変わるのです。
男女差はなく、45~65歳での有病率が高いことがわかっています。
内痔核
内痔核は、便秘や下痢で肛門に長時間の負担がかかることで、肛門周囲の血流がとどこおって腫れてしまったものです。通常、内痔核は痛みは強くありません。内痔核は5段階で進行し、徐々に大きくなります。
症状 治療法
内痔核1度 痔核が歯状線の内側にとどまっている。
時々出血や痛みがある。
塗り薬や生活習慣の改善
内痔核2度 排便時など、いきむと痔核が歯状線の外側に出てくる(脱肛する)が、自然に戻る。
時々出血や痛みがある。
塗り薬や生活習慣の改善。
注射をすることもある。
内痔核3度 脱肛しても指で戻すことができる。
時々出血や痛みがある。
注射。指で戻すのが難しくなってきた場合には、注射と痔核根治手術を併用。
内痔核4度 常に脱肛した状態。出血や痛みは個人差がある。 痔核根治手術+注射
嵌頓痔核 急に悪化した状態で、肛門周囲が大きく腫れ、痛みも強い。 痔核根治手術+注射
外痔核
外痔核は、肛門の外側にできるいぼ痔で、3種類の形態があります。
症状 治療法
皮垂 肛門部分の皮膚がたるんだもの。痛みなどはない。 気になる場合は切除することもある
血栓性外痔核 肛門周囲の細い血管が壊れて血栓(血の塊)ができたもの。
痛みや腫れは個人差がある。
塗り薬や生活習慣の改善。症状が重い場合は手術も
肛門菅内外痔核/中間痔核 内痔核から連続して、歯状線の外側にもしこりが広がったようなもの。
内痔核と外痔核、両方の性質を持っている。
注射や手術

いぼ痔の原因

原因について、まだはっきりしていない部分もありますが、以下のようなものがいぼ痔を引き起こすと考えられています。

  • 慢性的な便秘や下痢
  • 妊娠による腹部の圧迫
  • 重いものを前かがみで持つなど、腹部に圧力のかかる仕事
  • 食物繊維の不足
  • アルコールの飲みすぎ
  • 長時間座りっぱなし
いぼ痔を改善するため、排便のコントロールや食生活の見直し、運動、入浴で肛門周囲をあたためることをおすすめしています。
妊娠中は、手術をしてもまたいぼ痔ができてしまったり、次の妊娠で再発したりということが考えられます。基本的に手術はおこなわず、生活習慣の見直しや塗り薬、注射などで対応することが多いです。

いぼ痔の原因である便秘や下痢の症状が重い方や、痔を何度も繰り返してしまう方は、クローン病などの大腸の疾患が隠れているかもしれません。大腸内視鏡検査を受けましょう。

いぼ痔を放置するとどうなる?

いぼ痔を放置すると、症状の悪化・急な増悪を招いてしまったり、手術後の合併症のリスクが高くなったりします。
内痔核であれば、塗り薬で対応できる1度の状態で治療せず放置していると、進行して注射や手術が必要になるかもしれません。また、嵌頓痔核になると痛みが強く、座っていられないほどで日常生活に支障が出てしまいます。

嵌頓痔核の手術は、早くおこなうほど社会復帰が早くなるといわれています。しかし、腫れが強い場合は手術の難易度が高くなり合併症のリスクもあるため、炎症を落ち着かせる時間が必要な場合も。
「痔くらいで病院なんて…」「恥ずかしいから」と放置せず、早めに受診することが、早く治すための近道です。当クリニックでは、プライバシーを確保した個室での診察をおこなっています。受診にあたり、ご不安なことがあればお気軽にお問い合わせください。

参考

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