体重減少とは、6か月の間にもともとの体重から5%以上の減少がある場合のことをいいます。簡単に言うと「痩せ」のことですが、肥満など過体重の人がダイエットにより体重を減らす場合は除きます。
体重減少は、摂取した食事から得られるエネルギーと消費するエネルギーとのバランスを欠き、結果としてエネルギー不足になっている状態です。摂取から消費までの代謝の過程のどこかで、何かが原因となっているというわけです。なお、体重の2/3は水分ですから、大幅に水分不足となる脱水症でも体重減少は起こります。
また、体重減少が意図したものか、意図しなかったものかという点も重要です。意図した体重減少とは、ダイエットや糖尿病治療で服用しているお薬による痩せのことを指しています。この場合は自己の意思がありますからほとんど問題になりません。なるとすれば、いわゆる「拒食症」である「神経性無食欲症」という病気の場合です。これは医療が必要となることがあります。一方、意図しない体重減少の場合は、医療的に問題になることが多く、何かしらの病気が関わっていることが考えられます。
前述の体重減少の程度が進み、もとの体重から10%以上減少では至急原因解明の必要がある状態で、20%以上減少になると栄養障害や多臓器障害などを起こしている可能性が高いとされています。