便秘とは、「本来体外へ排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」と定義されています。「何日間出ないから便秘」や「どのくらいの量が出ないから便秘」というような明確な定めはありません。
平成28年の国民生活基礎調査によれば、日本人で便秘に悩まされている方の割合は男性2.5%、女性4.6%で、20~60歳では圧倒的に女性が多く、60歳以降は男女とも加齢に伴って増加していきます。
便秘の原因は便秘の種類によって細かく異なりますが、大きくは4つに分けられます。
【機能性便秘】
最も多いのが、「機能性便秘」です。機能性便秘は、大腸や直腸の働きに異常が生じるタイプの便秘です。生活習慣やストレス、加齢などが原因として考えられています。
機能性便秘はさらに3つのタイプに分けられます。
弛緩性便秘 |
大腸を動かす筋肉がゆるみ、腸の内容物を肛門まで運んでいく蠕動運動が弱くなることで便が停滞し便秘となります。生活習慣の乱れや加齢が関係します。 |
痙攣性便秘 |
大腸の蠕動運動が起こったり起こらなくなったりして生じる便秘です。ストレスが関係していると考えられています。 |
直腸性便秘 |
便意を習慣的にがまんすることで、直腸の神経の働きが弱くなり、便意を感じにくくなってなる便秘です。女性や温水洗浄便座の水を肛門の奥まで入れてしまう人に当てはまります。 |
【器質性便秘】
大腸の中を便がスムーズに通過できなくなることで起こる便秘で、大腸がんや手術後の癒着、潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性の腸の病気の方に起こりやすい便秘です。
【薬剤性便秘】
喘息や頻尿、パーキンソン病の治療で使われる抗うつ薬、抗コリン薬や咳止めには腸の動きを鈍くする副作用があり、これによって便秘となる可能性があります。