食欲不振の原因は多岐にわたるため、原因を改善するための治療が第一選択となります。
例えば急性胃腸炎では、現れている症状を和らげる対症療法としての薬物療法が基本となります。
【制吐剤】吐き気や嘔吐があるとき
【整腸剤】下痢があるとき
【点滴による補液】脱水や栄養状態を考慮するとき
吐血や貧血がある場合には上部内視鏡検査(胃カメラ検査)で詳しく調べて、同時に処置を行うこともあります。
また、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の場合には、まずは出血や穿孔などの合併症の治療を行います。発症の原因としてヘリコバクター・ピロリ菌に感染している場合には除菌治療を行い、同じく発症の原因となる「非ステロイド系抗炎症薬」や「アスピリン」を他の病気治療で服用している場合には、服用中止が検討されます。
胃潰瘍や十二指腸潰瘍は胃酸が粘膜組織を傷つけてしまう病気であるため、薬物療法としては大きく次のようなお薬を用います。
- 胃酸の分泌を抑える作用のあるお薬
- 粘膜を守る作用のあるお薬
食欲不振には、正しい生活習慣や食習慣が役立つことも分かっていますので、日ごろから意識しておくこともよいでしょう。
- 規則正しい生活で自律神経のバランスを整える:早寝早起き、1日3食など
- ストレスをためない、適度に発散させるようにする
- 肝臓の働きを低下させない:アルコールを控える
- 適度な運動 など